エピソード紹介


N・M様 84歳 女性 傷病名:左脛骨骨折  階段を歩けるまで目覚ましい回復の物語
Nさんは公団の5階にお住まいです。
今までどんなに重い荷物を持っても階段の昇り降りをし生活されてきました。
しかし、下肢の筋力低下により転倒されて手術、その後半年間入院しました。
「このままでは認知症になる」と不安を感じられてご自宅へ帰ることを希望されました。Nさんは息子さんと二人暮らしです。 退院に伴い、団地内にあるお医者様が往診されて 訪問入浴、訪問看護と共にマッサージを受けられました。
変形性膝関節症と下肢大腿部の筋力低下により下肢の 痛みが強くあるため、転倒しかけたこともありました。
そのような中でもご本人はとても前向きで、人手を借りず 通院できるようになることを希望されました。治療は週3回、運動療法を含めて15分行いました。 マッサージは下肢・上肢・肩背部を緩やかに施術し 血行を促進し筋肉を動かしてゆきました。
当初は強く感じることもあったようですが 筋力の回復に伴い、なくなりました。
運動療法はベッドからの起立運動、下肢屈伸運動 歩行訓練(ご家族が見守るなか、室内約3mの距離を 10往復)を行いました。そして1年後・・・
筋力が回復し、希望通り階段の昇り降りが出来るようになり、その半年後・・・往診、訪問入浴、訪問看護、マッサージが 終了となりました。ご家族とも寝たきりになる不安があり 回復をとても喜んでいらっしゃいました。

後日、会社に主治医の先生からお礼状が届きました。 訪問マッサージはお身体の不自由な方にとても有効です。負担を少なく筋力や機能回復を行うことができ保険適用が認められております。
しかし、まだまだ認知度が低いのが現状です。 今後も医療・介護関係の皆様と連携し患者様に正しく 理解して頂けるよう努力してまいります。
(文: 代表 深田謙二)


S様 82歳 男性 傷病名:脊柱管狭窄症  腰痛緩和、生活改善!
東京で長く葬祭業を営んでいたS様、数年前に息子さんに事業継承し、自宅にて隠居生活を送っています。とても割腹の良い方で、医師からはダイエットを勧められますが、なかなか上手くいっていないようです。 腰痛が酷く、室内では杖歩行がやっとの状態ですが、医師からマッサージの同意書が頂けず、健康保険は使用できません。やむなく実費にて始める事になりました。30分のマッサージを週2回、定期訪問で行うことになりました。
自宅は2階でエレベータが完備で、日中はお手伝いさんが家事をされておりとても広いお部屋に過ごされていました。しかし、ご本人は「とにかく腰が痛いし、歩くのも大変だから何とかしてほしい」と訴えており、とても辛そうでした。ベッドで腹臥位(うつ伏せ)から腰部のマッサージ、筋肉を揉み解していくと徐々に腰部の張りが柔らかくなってきました。背部から下肢、肩甲骨から頚部に張りが強くみられます。体重の増加に加え、下肢の筋力低下により腰痛が
強くみられ、下肢の筋緊張も大きくみられます。しっかり解していきました。数ケ月後、室内での杖歩行も安定して、腰の痛みも和らぎ日常生活も楽になってきました。そこでベッドサイドで立位訓練の運動法をマッサージ後に追加しました。下肢筋力を向上させる事が目的です。座位から起立訓練を5回、下肢挙げ運動を5回ずつ(左右)、屈伸を5回の立位訓練も取り入れて下肢筋力向上を図り
ました。ベッドの前で行う事で安全も確保しています。運動が嫌いな方なので、あまり積極的ではありませんでしたが、徐々に改善がみられ、半年過ぎた頃に杖に頼らず、伝い歩きが行えるまでに改善してとても喜ばれていました。このようにマッサージは、腰痛や脊柱管狭窄症などで障害のある方にとても有効で運動法も取り入れて改善も図っていきます。S様は実費での治療になりましたが、本来なら健康保険での適用も十分可能です。マッサージ治療が、患者様のお役に立てればとても嬉しく思います。    (代表:深田 謙二)


K様 92歳 男性 傷病名:変形性膝関節症 元エリートパイロットの物語

K様はとても穏やかな方でしたが、戦時中は陸軍の戦闘機パイロットで加藤隼戦闘隊で有名な64戦隊に所属していたエリートパイロットでした。

当時は南方を転戦されたとの事、アメリカ軍と高い高度で戦ったことなど、その当時のことを懐かしそうにお話ししてくれました。

戦後は工場を経営された後、都営団地にご夫婦でお住まいになっていました。膝関節が悪く、とても痛みが強いようでした。ご本人いわく、昔の機内はとても狭く、窮屈で、その時に膝を痛めてしまったようだ 最近、その古傷が特に痛む。とのこと。

マッサージは膝関節の関節包を中心に膝のお皿付近の靭帯周囲を入念に施術します。変形性膝関節症の場合、骨の変形はありますが膝周囲を柔らかくすることで疼痛を軽減させることができます。また、歩行が不安定なため、室内で過ごすことが多く太ももの筋肉が弱くなっていました。
仰臥位からの抵抗をかけて屈伸運動を十分行うことで筋力維持を図りました。他にも腰部、肩部など痛みがある部分が多く、入念に施術しました。

半年ほど継続していくと、膝や腰などの痛みが随分軽減されて室内の歩行が安定し、トイレも自力歩行が出来て、とても喜ばれていました。私もK.T様の戦時中の武勇伝を聞きながらのマッサージはとても楽しい時間でした。

しかし、お元気な時間は束の間で、ある日を境に急激に体力の衰えが始まりました。まず、食欲が落ち歩行が不安定になり、体調の悪い日が続くとマッサージもお休みがちでその後、介護認定を受けました。室内に介護ベットとポータブルトイレを設置して体制を整えた2日後にお亡くなりになりました。
この間まで、とてもお元気だったので私もご家族も信じられない思いでした。空に命をかけた青年期でしたが無事帰還し、戦後は工場を経営されて、老後は最後までご自宅で奥様と過ごし介護の世話をかけることなく旅立たれたのです
(文:深田謙二)


K・T様 72歳 女性 傷病名:くも膜下出血後遺症  思い出と共に過ごされて

代表の深田が開業前に東京の訪問マッサージ治療院で勤務していた時のエピソードです。

都内の老人ホームにK・T様は入居されていました。5年前にクモ膜下出血を患い、両下肢に麻痺が残り、車いすの生活を送っていました。ご主人も一緒に施設で生活をしていましたがALSという筋肉が萎縮してしまう難病を発病され、2年前に他界されました。

ご自身の障害とご主人の事で精神的に参ってしまい、うつ病を発症していました。私は前任者の急な退職に伴い、引継ぎなしで一人で訪問する事となりました。初日、ご挨拶を行うと前任者が良いとマッサージを拒絶されてしまいました。

どうやら前任者はきちんと説明せず、退職しており、一ヵ月ほど休止状態だったようです。私は誠意を尽くして、まずお話するところから始めました。マッサージは行えず、30分以上会話だけの事もありました。

そして、相手のお話をしっかり傾聴し、友人のように接していくことを心がけ、色々な話題でお話しました。すると、当初は無表情だったお顔が、時折笑顔を見せてくれるようになり、2週間後には下肢のみマッサージを許可して頂く事ができました。

車いすのため下肢筋力が低下しており、浮腫が強くみられます。痛みも強く車椅子に座って緩やかにマッサージを行いました。

以前はご夫婦で酒屋を経営されており、ご主人が「御用聞き」や「配達」を行い、店先は奥様が切り盛りされ、とても繁盛していたとの事でその頃の事をとても楽しそうに語っていました。良い思い出だったのだと思いました。

その当時からマッサージに通われており、現在も知人の鍼灸の先生が月1回は施設まで来て頂き鍼灸と歩行訓練のリハビリをして頂いています。
鍼灸師の先生ともお会いし治療方針や役割を共有して、一緒にお身体のケアを行う事になりました。私はマッサージで血行促進と疼痛緩和を目指し週4回を保険で行います。鍼灸の先生は月に1度鍼とマッサージ、歩行訓練を実費で行い二人で回復に努めました。
そして一年後には徐々に疼痛も消え、歩行訓練も安定して行えるまでに回復しました。その後、私は開業に伴い退職し担当を外れました。

とても残念そうな表情に心が痛みましたが、すでに信頼関係が出来ていたので、後任者への引き継ぎを快く受け入れて頂けました。患者様の心をほぐしていくこと、信頼の輪をつないでいくことが本当の心のケアになると、この経験から学びました。

私が退職して数年後、前職の仲間から聞いたところ、後任から何回かの引き継ぎはありましたが、現在もマッサージを喜ばれて、前向きに継続されているとの事でした。その話を聞いて私もとても 嬉しい気持ちになりました。
(文:深田謙二)


M様 82歳 男性 傷病名:脳梗塞 左片麻痺  ある政治家の地元のお話

このお話はある訪問マッサージ治療院でのエピソードです。

この地域は古くから政治家を多く輩出した場所で古くからの地元の名士が多数います。その中でも特にM様は有名人でした。
名の知れた国会議員の地元であり、その政治家を後援会で長年支えてきたそうです。現在は引退して家族とのんびり暮らしています。

数年前に脳梗塞を発症して、左上下肢が麻痺し、特に関節拘縮が強くみられます。さすが政治家の先生を長年支えてきただけあり、厳格ですが他人に礼儀正しく、私のような若輩者も先生と呼んで頂きとても光栄でした。
屋内での移動は車椅子を使用していたので、まずは装具を付けての立位保持と屋内の移動は杖歩行が出来るよう施術しておりました。
マッサージで拘縮の強い左上肢(肘、肩)と左下肢(足関節)を中心にマッサージで緩めていきます。
背部から肩甲骨周囲の麻痺のある左上肢は、筋緊張が強くあり、疲れやすくなるので緩やかなマッサージで解していきます。
機能回復訓練では真面目な方なので、手を抜かず精一杯身体を動かしてくれました。

立位と歩行の改善を目指しているので、ベッドサイドから立位訓練として起立訓練、下肢拳上訓練、屈伸運動などを中心に行いました。とてもきつそうな表情をされていましたが、全く弱音も吐かずにトレーニングに励まれておりました。

半年ほど経過すると、徐々に下肢の筋力も向上し、短い距離なら自力で杖歩行が出来るまで改善してきました。
それにより、日常生活も大幅に改善され、とても喜んでおられました。
週3日の施術を継続していきましたが、2年ほどして私は担当を外れて後任者が施術を継続することとなりました。
その後、知ったことですが、私が担当していた2年間は、M様の義理の娘様(ご長男様の奥様)が乳がんで闘病されており、その後、亡くなったそうです。小学生のお孫様もおり、ご本人も不自由なお身体で、精神的にとても大変な時期を頑張っていたのでした。
厳格な方だったので、そのことを他人に打ち明けることは無かったのですが、心中は大変だったことでしょう。
改めて健康の大切さ、また、いかなることにも動じない気持ちを持つことが必要なのだと、M様を通して強く感じました。
このエピソードを通じて私たち国家資格を持つマッサージ師は治療に精進してこのような方に恥ずかしくない治療家にならなければと身が引き
締まる思いでした。


S.F様 94歳 女性 傷病名:廃用性筋萎縮  実費でも効果的なケアを

SF様は94歳とご高齢ながら室内での歩行は維持されています。
そのため、健康保険の適用にはならず、週1回のマッサージを実費負担で継続されています。

息子さん夫婦と同居しており、お嫁さんも明るい方でとても仲良く、しっかりサポートをしてくれます。
認知症が進み、ほぼ毎日ご近所のデイサービスに通っています。帰宅後、マッサージを行いお身体のケアに努めております。

お身体の状態は、円背のため背部から脇腹にかけての筋肉が固くなっており時々、強い痛みが起こることが苦痛だったそうです。ご高齢なので ストレッチが行えないなか、どのような治療が最適か考えました。

仰向けでの寝る事が出来ないので側臥位から背部と肩部を中心に緩やかなマッサージを行い血行を促進させ、筋肉を緩めていきます。
これらの施術で当初は緩みますが、しばらくすると、また固くなることの繰り返しのなか、継続することで少しづつ、緩んでいきました。
施術後、ご家族のご好意でお茶を頂きながら世間話をしております。継続されて6年目となりますが、背部の痛みも消え、円背はあるものの 仰臥位の保持も出来るようになりました。

実費治療のため、ご負担もありますが、ご家族がとてもよく考えてくれ、ご本人の年金の中からやり繰りをされて施術の継続ができています。
一般家屋での生活なので要介護になる事を心配されており、やはり日々のケアがとても大切であることを教えていただいています。
(代表 深田謙二)

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